若手陶芸作家(修行中)というお客様から、
寺尾さんの作品をゆっくり見終えた後でお話を伺うことができました。
ある福祉施設で、陶芸を数年間教えていた時のお話。

 ある生徒さんが作りたかった急須

何回作っても急須の注ぎ口を上から下に向かって付けてしまい注げないので、
下から上に向けて付けることを教えるんだけど、
目を放すとまた下に向かって付いていて、おまけに反対側の底に大きな穴が出来ている。
少し時間が経つと急須が凄い形に変形していて・・・
だけどその形が何とも味があって考えもつかない急須に仕上っていて・・・これは何だ!と
この人が作りたかった急須はこれなんだと納得してしまう強さに気づかされたこと。
「先生だから教えよう」という構えた気持ちがだんだん解きほぐされてきたという
貴重な経験を聞かせてもらいました。

また、障害を持たれている方の作品を発表する作品展等をサポートされた経験から
どうしても知的障害者の方が描いた作品展という伝わり方になってしまうことが多いこと、
何とか彼等の作品そのもの魅力を、作者(アーチスト)の魅力を、
障害者という肩書きから伝えるのではなく作品そのもので伝えていきたい等・・・
熱いお話を伺うことができました。

ありがとうございました。